LGTM スメル(LGTM smell)とは、レビュアーが実質的なフィードバックの代わりに「LGTM」(「Looks Good To Me」)とだけ記したレビューを提出するコードレビューのスメルである。たとえば、プルリクエストが変更を理解するのに十分なコンテキストを与えていない場合や、レビュアーが忙しすぎて適切にレビューできない場合に生じる。コードレビューの有効性を損なう慣行の 1 つに数えられている。
使われ方
AI 時代のコードレビューを再考する:エージェント型コードレビューのビジョン は、引用する先行のコードレビュー研究に依拠しつつこの用語を用い、従来のプルリクエストレビューが抱えるいくつかの課題を LGTM レビューに結びつけている。同論文はそれらをいくつかの状況に関連づけている。プルリクエストに説明的なタイトルや説明文がなくレビュアーを混乱させる場合、ドキュメントの欠如によってレビュアーが意図された挙動と欠陥とを区別できない場合、issue へのリンクがないために実装対象の要件がレビュアーに伝わらない場合、そして時間的なプレッシャーによってレビュアーが変更を急いで確認してしまう場合である。また同論文は、先行研究がレビュアーの手の空き具合を直接的な根本原因として挙げていること — 他のタスクで忙しすぎるにもかかわらずレビュー依頼を断れないレビュアー — や、引用されたある研究が、5 つの大規模プロジェクトにわたってプルリクエストの 64.7% がコメントなしでレビューされており、そうしたコメントなしのレビューはコメント付きのレビューに比べて LGTM スメルを 3.5 倍多く示したと報告していることも紹介している。
同論文は、AI 支援レビューをどう評価すべきかを論じる箇所でもこの用語に立ち返り、コード生成が加速すると、マージまでの時間のような速度中心の指標は誤解を招きうると主張している。そのうえで、評価ではむしろレビューがどれだけ徹底的に行われたかを考慮し、LGTM スメルを乗り越えていくべきだとしている。