τ-bench(“tau-bench”)は、現実世界のドメインにおけるツール・エージェント・ユーザー間の対話のためのベンチマークである。言語モデルによってシミュレートされるユーザーと、ドメイン固有の API ツールおよびポリシーガイドラインを与えられた言語エージェントとの間の動的な会話を模擬する。そのリポジトリは GitHub の sierra-research オーガニゼーション配下にあり、MIT ライセンスで公開されていて、2024 年の論文(arXiv 2406.12045)で導入されたベンチマークのコードとデータを収録している。

内容

元のリポジトリには、航空会社(airline)と小売(retail)の 2 つの環境が含まれ、それぞれが独自のタスクを持つ。また、エージェント戦略 — 関数呼び出し(“tool-calling”)、Act、ReAct — を採点するリーダーボードがあり、k = 1〜4 の pass^k 指標が報告されている。現在リポジトリには、これらの airline と retail のタスクは古いバージョンであるという警告が掲げられている。後継の τ²-bench は τ³-bench へと更新されており、airline と retail のタスクを修正したうえで、銀行(banking)ドメインと音声評価モダリティを追加している。利用者は最新版としてそちらを参照するよう案内されている。

出自

このベンチマークはソースコードから、モデルプロバイダーの API に対して実行される。シミュレートされるユーザーはデフォルトで GPT-4o を llm 戦略で用いるが、代替のユーザーシミュレーター戦略も用意されている。react はシミュレートされたユーザーに応答の前に思考(thought)を書かせる。verify は LLM による検証ステップを追加し、不十分なユーザー応答を再生成する。reflection は不十分な応答についてシミュレーターに振り返り(reflection)をさせてから新たな応答を生成させる。実行には費用がかかることがあるため、リポジトリには両環境の過去の軌跡(trajectory)も同梱されており、さらなる軌跡の提供も呼びかけられている。

利用

失敗した実行の分析のために、リポジトリは LLM ベースの自動エラー特定ツールを提供している。このツールは失敗の責任(fault)をユーザー、エージェント、環境のいずれかに割り当て、その誤りを「部分的に達成されたゴール」「誤ったツール」「誤ったツール引数」「意図しないアクション」のいずれかに分類する。どちらのラベルにも説明が付される。リポジトリは、このツールが LLM に依存しているため、その特定結果は不正確な場合があると注意を促している。